SNS絵描きの苦悩「描かないといけない症候群~画力低下への恐怖~」

結論から言うと、「それまできちんと練習を積み重ねてきたのなら、画力の低下はあなたが思っているほど起きたりはしない」ってことです。メンタルが弱っているときに描くから「ヘタになった」という錯覚をみずから起こしている。こういうときはジタバタせずに、ちょっとだけ休みましょう。



私は20代の頃、「描かないと画力が落ちるから練習とかいっぱいやらなきゃいけないのはわかっているけど、実際に描いてみてやっぱり画力が落ちていた。全然ダメダメじゃん、サボっていたツケだ」といったかんじで、自分の絵を描くのが怖かった時期がありました。たとえラクガキであっても。

あなたがもし、理由のわからない焦燥感に駆られて「描かなきゃ」と感じているのであれば、そこまで自分を追いつめているものがなんなのか、見つめなおしてみてください。

私もさんざん悩んだし病んだし、ヘンな焦りは今でも定期的に起きる。だからといってはナンですが、まあ、とりあえずおちついて安心してくださいってことです。昔はムリをしてでも描き続けていないと置いていかれるって、よく思っていましたよ。「誰に」置いていかれるのかもわからず。

以前も画力低下についての記事を書きましたが、お絵描きを一定期間休んだとしても前回セーブしたところから再開するだけです、ということをもういちど伝えたいです。

休んだ長さによって、クオリティを取りもどすのに時間がかかるかもしれません。でも、画力が絵を描き始めたころまで戻ってしまう、なんてことはめったに起きないでしょう。

久しぶりに絵を描くことに不安を抱いている人は、もっと自分が努力してきたことに自信をもってください。

画力が低下したと感じるのは結局のところ、その人のお絵かき歴と質と主観で決まるわけです。自分にきびしいひとほど恐怖へ縛りつける力が強い。

それよりも、「描かないと画力が落ちる」という焦燥感を抱えている方に言いたいのは、まず体と心を休めてからでもおそくはないということです。

休んでいる間は「なにもしていない自分」を責めたりするのは絶対にやめましょうね。

描かないといけないって焦っているあなたは果たして「なにもしていない」のでしょうか。頭がつねに動いていますよね。

不安な気持ちで心がいっぱいだと、新しいアイディアやヤル気が入るスペースを空けないといけません。クリアにするためにも心を整えましょう。

久しぶりに絵を描く恐怖をどうにかしたいのであれば、まずはものすごく小さく描くことに慣れてみてはどうでしょうか。

ノートとかのすみっこに落書きするような気持でやると、しだいにもっと大きく描いてみようと、描きたい意欲が少しづつ湧いてくるかもしれません。

別に恥ずかしいことじゃないんですよ。こういう小さな積みかさねって、絵描き歴の長さや上手いヘタにかかわらず見おとしがちですから。

ロクに準備運動もせずにハードなスポーツをやったら体がついていけないのと同じで、ひさしぶりに絵を描くときも軽めにこなすのがイチバンです。

画力が落ちているのではないか、という恐怖や不安を持つのって、自分への期待値が高いことでもあるけれど、もっと突きつめると「絵が上手くなりたい」っていうポジティブな動機が根っこにあるんですよね。

つまり、あなたが感じている焦燥や恐怖や不安や心配事も、裏を返せば上手くなるために必要なものである、といえます。

SNSって流れが速いからのんびり自分のペースでやりたい人にとっては、焦りや不安にさいなまれることが多いかもしれません。

でも、もっと長い目で見ればあなたの努力はムダじゃないし、これから大きく飛躍するための大事なステップだったりするのです。

ところで「描かないといけない症候群」というのは私が勝手に名づけた架空の病です。目に見えない葛藤に仮の名前を与えると、理解できそうな感じがして落ちつくのです。よかったらやってみてね。

画像1


ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

コメントは受け付けていません。