絵描きの苦悩「あれ?いまより過去絵のほうが上手くね?」

なんなんでしょうね、この現象。一部の絵描きにだけ起こるのかもしれませんが。私は定期的に今回のタイトルのようなことを感じています。



気が狂ったように描きこみだけがんばって、めちゃくちゃ細かく描いた絵に対しては、なぜか「これは上手いッ、上手く描けているッ」と勝手に納得していたこともあります。画面を埋めつくした満足感だけで、上手いヘタを決めてしまっていた当時の私の脳みそ。描きこみ量の多さ=画力が高い信仰は危険なのだ。特に自分の絵限定で適用すると。

もちろん、過去の自分の絵の良い点を見つけて、素直に称えられるのは素晴らしいこと。ですが、上手くなるために努力しているのなら、いまのほうが明らかにいいんですよ。描くことに夢中だとなかなか気づけないけど。

私が思うに、気持ちがなんとなく後ろ向きになっていると、その時期のパーソナルベストにだけ注目しちゃうから過去の自分の方が上手いと感じてしまう。思い出補正といってもいいかもしれない。

あるいは、なにも考えず、ひたすら楽しいという気持ちだけで純粋にお絵かきに没頭していたから上手く見えるのかもしれません。こっちはキラキラフィルターがかかっているケース。

どちらにしても、そういうのってずっと描き続けていれば誰の身に起こっても不思議ではないのです。

「自分の成長を実感しにくい時期」にさしかかると、過去の絵を超えられるかどうか、自信が持てなくなることがある。

絵の基本から応用まで本格的に勉強するようになると、同じような作業のくりかえしでちっとも前に進んでいるような気がしないかもしれません。

表現したいもののために練習をたくさんこなす。本を読んで、動画を見て、世界のあちこちにいるお手本の方からレクチャーされたことはすぐ実践。

絵を描いていても、人様に胸を張って見せられるようなものはいつになったら出来上がるのだろうかと、煩悶することがよくあります。公開するのにちょうどいい塩梅とはなんなのか。未だに答えが見出せない。

孤独な作業に没頭していると、自分の努力が正しい方向に向かって進んでいるのか、わからなくなってくることがあります。

それでも少しづつ、確実に、ゆっくりと自分の身になっていると信じるしかない。種をたくさんまいたのなら、あとは育てるだけなのです。

過去の絵は過去の絵。いまの自分は今の自分にしか描けないものがある。
それがベストをつくすということ。

続けていくさきに待っている「実り」の存在を確かめるまで、絵描きの旅は終わらないのです。

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あれ?過去の絵も、今の絵もそんなに悪くないんじゃ?という表情。

ちなみに私が「過去絵のほうが上手くね?」と最近思った絵はコレ↓

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とりあえず、自己ベストを出すにはコレを超えないとな…。



ここまでお読みいただき、ありがとうございました!





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