SNS絵描きの苦悩「描かないといけない症候群~推しへの罪悪感編~」

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しばらく投稿しないとフォロワーさんにリムられる、いいねやリツイートが減る、他人との温度差がどんどん開いていくから描かないといけない、というのはなんだか本末転倒な気がします。



絵描きが周りの反応を気にして、そこまで追い詰められてしまうのは、もうSNSによる現代病のようなものなのかもしれない。

前回の「描かないといけない症候群」に関するお話は「個人」に焦点を当てたものでした。

今回は「人目と二次創作」ありきで起こる絵描きの焦燥感についてです。




二次創作をメインに活動していると、ジャンルによっては作品や推しの記念日、誕生日、季節ごとのイベントなどなど、みんなで一斉にお祝いするようなお祭りに参加する人もいるかもしれません。

特別な日にイラストや漫画などで推しへの愛を表現できること、これは二次創作の楽しさのひとつといってもいい。私もそういった素敵な作品を、きちんと間に合わせて作っている人たちを尊敬しています。

しかし、それらの行事に毎回参加できるわけではない人もいます。

いきなりですが、この世に生きている生きとし生けるものはすべて等しく、それぞれ「自分の人生を生きるというお仕事」をこなしています。これは赤ん坊からお年寄りまで全員共通です。

学業、仕事、育児、病気、介護、その他もろもろのトラブル、公の場では言えないアレコレ、いろいろ理由があって創作に手が回らないことだってあるわけです。みんな、自分の人生を生きるのに精いっぱいだから。

二次創作の優先順位が下がることだって稀じゃないのです。

絵を描く手が追い付かない、間に合わないからって焦ったりしなくてもいい(そうはいっても、焦ってしまう気持ちをおさえられない、というのはよくわかります)。

にもかかわらず、「大事な推しのイベントなのになにもできなかった、みんなはできているのに自分はできなかった」と、罪悪感を感じていませんか。
創作に真剣であればあるほど思いつめてしまいますよね。

それよりも、推しを祝いたい気持ちがあったことを、なかったことにしようとしていませんか。本来ならこっちの方を心配するべきでしょう。

もし、仮にあなたがひとりだけ推しのイベントに参加しなかったからといって、そのことで自分を責めたり、誰かから責められるのはまったくのお門違いです。

あなたの心の奥底にある、イベント用に描こうとしていた推しの絵やイマジネーションを守ってあげてください。それはあなたにしか成し遂げることができないものだったのですから。

それに、記念日や誕生日などを祝いたい気持ちがあったことや、日々の生活がいそがしくて思うように絵が描けなくて、悩んでいた事実をあなたの推しが知ったらどう思うんでしょうね。たぶん、心を痛めてくれたり、あるいはその気持ちを喜んでくれるんじゃないかな。

えっ、「私の推しはそうでもない」って?
…うーん、あなたの推しもなかなか気難しい御方のようで。



SNSでは発信したもん勝ちみたいなところがありますが、そればかり追いかけていては心がすり減る一方です。くだらない要因に振り回されて、絵を描くのがしんどいと感じている人が減ってほしいのです、私は。

楽しかったはずのものが苦痛に変わるなんて、その原因が推しとの対話以外にあっていいのだろうか、いや、ない(反語)。

人目を気にしはじめると自分の創作スタンスがゆらぐこともあります。
そういった中で、絵を描きたい気持ちと身体のバランスが取れないのはとても苦しいものです。

私の経験談で恐縮ですが、「焦り」のもとになるのは「不安」というパターンが多いです。その不安の正体はひとそれぞれ異なると思いますが、もしわからなくても「あ、今わたし、不安になっているんだな」と、客観的に気づくだけでも大丈夫です。

いちど、深呼吸して、SNSから距離を置く。心の中のざわめきが落ち着くまで、本を読んだり映画を観たりして気分転換をしてみてはどうでしょう。

パワーをチャージできたら、最高の推しが描けるようになると思いますよ。SNS内の企画とか祭りごとに参加するのであれば、めいっぱい楽しんでください。



ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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