SNS絵描きの苦悩「トレンドの二次創作パワーは理性を試される」


トレンドや旬のジャンルで二次創作をしたことがありますか?

Twitterのトレンドを一週間くらい毎日見てみるとわかるかもしれませんが、とにかくオタク関連のワードがずらり。
しかも数時間ごとに変わるから、本来なら1年かけて知るような話題を一日で取得できちゃうような流れの速さです。

この「流れの速さ」がオンラインで創作している人たちに相当な影響力を与えています。

つまり、話題のゲーム、アニメ、漫画のジャンルにいち早くタッチして二次創作をした人は注目されやすいってことです。

トレンドに乗っかってフォロワーや評価が一気に上がることを、同人用語でジャンルブーストとか(旬)ジャンルの力とか言われています。

旬ジャンルで一発でもバズったら人によってはかなり勘違いするんじゃないかな。二次創作といえど、「これが自分の実力なのだ」と、思いあがっても仕方がないような土壌がSNSにはある。

そこで、SNSで絵を描き続けるためにはどのようなスタンスでいることが自分にとって望ましいのか、あらためて考えてみました。

私は日ごろから色んな描き手の人たちの意見を見てまわっていますが、「二次創作している身分で天狗になるなんておこがましい」という考え方はあちこちで目にしました。

これはおおむね理解できます。
天狗になる、といってもそれは自分の心の中にしまっておけば特に問題はないかと。

しかし、私が二次創作をする時は「原作の良さを少しでも伝えたい」という動機からやることが多いので、「旬ジャンルでたまたま注目を集めたから天狗になる」という心理はあんまり想像できません。

数年前に当時は旬ジャンルだった(今もかな?)刀剣乱舞の二次創作をpixivに投稿したのですが、いつもよりかなり閲覧数が多くて反応も早めにもらえた経験があります。

その時はただ単に「評価がつくのが早いなあ」ぐらいにしか思いませんでした。それよりも共感してくれた人がいるといいなあという気持ちの方が強かったです。

二次創作で自分の実力とか人気を勘違いしないためには、その人の中にどれだけ「原作を尊敬する気持ちという理性」があるかどうかにかかっていると思います。

現在、自分が好きで二次創作しているジャンルがあるとしたら、その作品がなにかのきっかけで旬ジャンルに化けるかもしれないですね。

最近だと、人気が伸びてきた漫画作品はだいたい映画化、アニメ化はもはや定番となりつつあります。

古い作品でもアニメ化された途端に話題になって、二次創作をする人がどこからともなくわんさかやって来たりします。

このあたりの要素を加味すると、タイミング次第では作品に対する評価が変わるのではないかなと。

別にみんながみんな評価ほしさに二次創作をしているわけではないことは重々承知しています。

誤解させてしまったら申し訳ありません。

ネットの中のトレンドや話題次第でわけもわからず人の創作物(場合によっては創作者自身)の評価が上下するのも、妙な話だなと感じていたのです。

どれだけ世の中の流行り廃りが早かろうと、トレンドの波に乗ろうと、「原作を尊敬する気持ち」がブレない人は強いです。

SNSでは人目や評価を気にしないようにするのは難しいかもしれません。
原作を好きな仲間や同士がほしくてもすぐには叶わないかもしれません。

私はこの記事を読んでいるあなたが楽しく二次創作をして「自分の好き」や「伝えたいこと」を表現することを応援しています。

壁打ちのさみしさも同士で集まって気を使い合う大変さも、ある程度は経験したから多少はこのエールがだれかに届いているといいのだけれど。



ここまでお読みいただき、ありがとうございました!


※この記事は以前投稿した「博打と競争強制イラストSNS社会【風景画23枚】前半」と「博打と競争強制イラストSNS社会【風景画13枚】後半」というタイトルの記事から一部抜粋して加筆修正したものです。

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