結論から先に言うと「海外SNSだと嫉妬心が小さくなる」です。
嫉妬に苦しんでいる絵描きのみんな!海外のSNSに逃げるのも一つの手だぞ!英語がからっきしダメダメな私ですら登録はできたのだからイッテQ。

私はArtStationとDEVIANT ARTを使いましたが、絵柄のテイストもアーティストによってかなりバラけているから気がラクでした。
「それpixivでも同じやん」と思うやん?(急に関西弁)
ユーザーと創作物のあいだに異なる言語と文化が挟まれているとちょっとだけ見る側としても気持ちが違うんですよ。
DEVIANT ARTについてはお絵かきに必要な資料やブラシが豊富に揃っていて、これらがとても役に立つのです。もし、絵を見たくなければコスプレ写真を見るという選択肢がある。言うことナシ。
ところがどっこい、海外SNSの洗礼はとてもユニークだった。
なにが起きたのか、私の逃避行をお話していきます。
ちなみに2年くらい前の話。
1、海外のSNSに飛びこんだら逆に承認を求められた
私はもともと国内のSNSでは評価がさっぱりレモネードで酸っぱい思いをしていたわけです。おまけに絵の上手いヘタにかかわらず、他人がチヤホヤされている様子を目の当たりにして嫉妬心をこじらせていた。
当時の自分はこのジレンマにだいぶ限界がきていました。もちろん自分の作品にいいねやブクマをしてくれる人もいましたし、そういった反応がもらえるのはありがたかった。欲張りだと言われたらぐうの音も出ません。
でも、今までの倍以上努力しても自分の絵柄や作品を好いてくれる人が増えないのはかなりこたえた。そこでひらめいたのです。
心機一転、海外のSNSに行けば少しは気分も評価も変わるのではないか?
そんな期待を抱きつつ飛びこんでみたものの、想像をはるかに超えた経験が待っていたのです。それはなにか。
承認欲求を満たすために海外のSNSへ逃亡したのになぜか向こうから承認を求められるハメになった。
いったい何の承認かというと、ひとつは「利用規約に同意しますか?」という登録前の確認事項。
もう一つは「あなたの絵が素敵なので、サークルのギャラリーにあなたの絵を飾りたいんだけどいいかな?」というサークル主からの承認の確認。
この二つでした。
「なーんだそんなことかぁ」と思われるかもしれません。
でも、これが全て長文英語のやりとりだったら?
私はたったこれだけの文章であってもかなり慎重に翻訳してから承認ボタンを押しました。罠だったらイヤじゃないですか。
あ、ちなみにこの出来事はDEVIANT ARTでの実体験です。
海外では最大手の創作SNS。毎日ものすごい量の創作物が流れていく。
私はこのSNS内での文化やしきたりについては特に調べたりせず、登録方法だけ覚えてから飛び込んだのです。
それが甘かった。毎日のように英語で公式の宣伝やらラマバッジ(今もあるのか?)のお知らせが届くし、たまに上に挙げたような創作系サークル主からメッセージがくるし、てんやわんやでした。
最初の一歩がとどめの一刺しだったといっても過言ではない。
自分にとっては衝撃的な海外SNSデビューでした。
2、評価は相変わらず低かったが嫉妬心が弱体化した
「嫉妬心って、弱まるのか?」と疑問に思うでしょうか。そうなんですよ、デバフが効くんですよ己の嫉妬心というものは(急にゲーム脳)。
正確に言うなら他人に嫉妬するよりも自分の手でやらなくてはいけないことが多くて、そちらに神経を割かなくてはならない状況下では嫉妬とかどうでもよくなる、ということです。忙しさは嫉妬を滅する。
DEVIANT ARTで英語の洗礼を浴びた後だと、なにかをするたびにまたお知らせが届くのかと気が気ではなかったです。
英語圏だから作品を投稿する際にも誤解のないように、正しく表記したりタグ付けしたりしないといけない。
自分が無礼をしでかしたりしていないか、よく確認してから投稿することを意識していました。「知らなかった」では済まないことも世の中にはあるのだと常に頭の片隅にチラつかせながら。
この一連の作業だけでもうどっと疲れが押し寄せてきてしまって、とてもSNSや創作を楽しむ余裕なんてものは持てなかった。
先ほど述べた「ラマバッジ」という文化。これはもらったら相手のユーザーページに言って直接お礼を言うのがならわしというか、そういう風潮だったみたいです。
「いいね」ボタンとはまた違う評価やコミュニケーション方法…なのかもしれません。今現在はどうなっているのかはちょっとよくわからないので何とも言えませんが。というか、いまだにアレがなんだったのかが謎。
私は英語が不慣れなのもあって、他のユーザーのやり方をよく観察してそのとおりに模倣する、という感じでラマバッジのお礼参り(ヤンキーじゃないよ)に行ってました。
そこでちょっとだけ英語の耐性がついて自信が持てるように。他のユーザーの作品にも英語でコメントするようになりました。
英語でのコミュニケーション自体は面白かったけど、とにかく疲れた。
DEVIANT ARTでは予定していた投稿物の半分くらいだけ出して、静かに同時進行させていた海外SNSで投稿を続けることに決めました。
DEVIANT ARTでの活動は結局2か月ほどで中断。
つぎの行先は、ArtStation。
3、国内で評価されなかった作品に光が
ArtStationという海外SNSでの出来事です。
ここのSNSを使って驚いたのは、国内では評価がイマイチだった作品にコメントがついたことです。しかも投稿後すぐに。
これはものすごく励みになりました。
自分が気合入れて描いたものに直にコメントで反応がきたのは本当にうれしかった。ようやく苦労や努力がいい形で報われたような気がしてホッとしたのです。評価依存とかではなく、良さを分かってくれる人を発見できたような感じ。
場所を変えたら、評価が変わるかな、やっぱり変わらないか、と思っていたのですが、多少は変わりますね。海外の方がレスポンスが早い。
個人的な体感なのですが、海外SNSでの経験は作品への反応や評価などの外的な要因よりも、自分の心の変化のほうが大きな意味合いをもちました。
活動場所を国内から海外まで広げることによって、いろんな文化のいろんな人たちにまぎれることは、自分が大海の一滴にすぎないことを再確認するのに役に立った。
特に、ArtStationはハイレベルな人たちが集まっているのもあって、毎日が刺激的で楽しいんですよ。
レベルの高さと評価の高さが一致しているからたま~にある「何でこれが高評価なんですか?」みたいな疑問も脳裏に浮かばない。みんな本来もらうべきものをもらっているのが当たり前。
そういう空間にいると「自分ももっと上手くなりたいな」というお絵描きの純粋な動機に立ち返ることができる。
ArtStationでは国内で評価が低かった作品もためらうことなく投稿して「これが私の作品なんだ」と、堂々と胸を張れるようになりました。
上手いひとたちと自分のサムネがならんだ時に見劣りしないか。
自信をもっていられるか。
そのようなことを考えながら今もここのSNSを使っています。
4、海外のSNSに逃げてもいい
これはホント、マジで国内のSNSが辛くなったら逃げてもいい。
承認欲求や嫉妬心やらのめんどうくさい感情が消えることはないけど、環境が変わることによって今まで気づかなかった自分に気づくこともあるから。
投稿しなくても海外のユーザーの作品を眺めているだけでも十分楽しいです。二次創作だってあるし、日本の漫画やアニメのファンもたくさん見かけました。
それに、英語やらドイツ語やら中国語やら、いろんな言語が飛び交っているところに行くと称賛コメントが目につかないから人の人気にいちいち苛立つこともないんですよ。
仮にチヤホヤされている場面に遭遇しても違う言語だからそれほど気にならない。「常連さん同士の雑談かな?」ぐらいの認識。
私は嫉妬心と承認欲求をこじらせて飛び出したわけですが、本当のところは「もっと自分を好きになりたかった」という気持ちが根底にあったのだと思います。
その結果、自分革命を起こすなら海外のSNSだと、あえて日本語が通じないところに行くべきだと考えた。
理由としてはばかげているかもしれません。
それでも、不慣れな環境に飛びこんでみて得たものは多かったです。
少しだけ英語への苦手意識もなくなったし、向上心を持ち続けるのにふさわしい場所も手に入った。
数字での評価は作品ページごとについて回るのは国内と変わらないけど、ちゃんと自分の作品の良さを教えてくれる人もいる。
そのおかげで、自分の作ってきたものをもっと愛することができるようになった。嫉妬まみれのダメ人間でもジタバタしてみることで、ようやく好きになれそうな自分の輪郭がつかめた。
評価されないと思っていてもそれは狭い世界だけで起きていること。
承認欲求も限界を超えたら海を越えてあちこち移動してみて、心地よい居場所を作るのに利用してみるのも悪くないと思います。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

今日の見出し画像boy。海外SNSに逃亡する脳内イメージはこんな感じ。