SNS絵描きの苦悩「年下の絵描きに嫉妬してしまう」

私は現在37歳の崖っぷち絵描きです。
あなたは年下の絵描きに嫉妬していますか?
あなたは私より年下ですか?
年下なら、私もあなたに嫉妬していいかな?



はい、いきなり物騒なはじまり方ですが、嫉妬するということは(私のような嫉妬深い人間にも)嫉妬される可能性もあるのだと、頭に入れておきましょう。

今回は年下の絵描きに嫉妬しがちなあなたの視点を、ほんのすこしだけズラすためにこの記事を書きました。

嫉妬という感情の整理というよりは、もうすこし別の方向からものごとを見るための方法といったほうがいいかもしれないです。


結論から言うと、ネットの世界で嫉妬深くなってしまうのは、SNSだけでお絵描きしている人特有の現象ともいえるかもしれません。

なぜなら、リアルだと数値化された評価を目にすることはほとんどないからです。
年下だとか年上だとか、他人のプロフィールもさほど気にならなかったりします。

絵描きが絵描きに嫉妬するのはごくあたりまえのことです。
嫉妬はみっともない?いやいや。
上手くなりたい気持ちがなかったらこんな感情うまれませんって。

そもそもあなたが若い絵描きに嫉妬するのはなぜなんでしょう。

才能があるから?
絵が自分より上手いから?
なにもかもうまくいっているように見えるから?
評価で負けているから?

理由はそれぞれあるかもしれません。
ですが、この手の嫉妬はだいたいが「時間」と「己の経験」が解決してくれます。


pixivを2008年から使っている私の意見をまとめてみました。
若い絵描きに嫉妬するまえに、いまの絵描き界隈の過酷な現状を知っておいてからでも遅くはないと思います。

1,年下の子たちのお絵かきをする環境は昔より良くなっている
2,最初から競争強制SNS社会の一員
3,次世代交代がフィギュアスケートのロシア女子並に早い

1,年下の子たちのお絵かきをする環境は昔より良くなっている


PCやスマホが普及したのはもちろんのことですが、無料のお絵かきソフトが手に入りやすくなり、デジタルイラストの制作に対するハードルがぐっと低くなりました。
ひとむかし前なら高価だった液晶タブレットも、安値の製品が増えはじめてプロ仕様のものを気軽に試すことが可能です。

お絵かきの講座も、動画やSNSなどに無料のものがたくさんあります。
テキストをわざわざ購入しなくてもタダでプロから学べます。
デジタルイラストはスマホやipadなどでいつでもどこでも気軽に描ける上に、わからなくなったらすぐに調べものまでできます。

私は現在37歳ですが、今の10代、20代の子たちを見ると実にうらやましい環境だなと思います。

それと同時に、環境が整っているのであれば、上手くならないはずがないとも感じます。
というか上手いのがあたりまえ。
こう考えるとある意味、若い絵描きってだけで強烈なプレッシャーですよね。

2,最初から競争強制SNS社会の一員


2021年現在、Twitterやpixivなどの絵描きが使うSNSなどでは、どこもかしこも作品の評価が数字であらわれます。
20年前はお絵かき用の掲示板などで交流するのがメインでしたが、そこではプレビュー数やいいねによる評価機能はありませんでした。

絵描きの中には負けず嫌いな子もいるでしょう。
他人の絵と自分の絵を否が応でもくらべられるような環境に身を置くとどうなるか。
はい、お絵描きアスリートになります。

上手くなってもっと評価されるようになろう、と。

誰だって自分より上手い人を見たら刺激をうけます。
どうやったらああいう絵を描けるのか、練習して研究して腕を磨きます。

これを中学生とか高校生からやり続けていたら上手くもなりますわ。

今の子はデジタルイラストを制作する環境とライバルと切磋琢磨できる環境、このふたつがちょうどいい具合にそろっているわけです。

3,次世代交代がフィギュアスケートのロシア女子並に早い


12年間それなりにネットやSNSで絵描き界隈の変遷をみてきましたが、いつでも一つのサイクルにのっとってまわっています。

上手い人があらわれたかと思えばまたすぐ次の上手い人が出てくる。
絵柄や雰囲気はすこし前の世代を、ほんのひとさじ程度ブラッシュアップした感じで、おおきな変化はあまりない。

ざっくり言うと、これのくりかえしです。

いま、彼らがもてはやされていても、売れていても、うまくいっているように思えても、このサイクルからいつ外されるかわからないのです。

ここ最近のオタク界隈ならびに、絵描き界隈全体のながれの早さはオニのようです。

そのぶん、なにが起こるか?

消費されるだけされて置いていかれる人が後を絶たなくなる。

なんだか無常ですよね。
数年後も絵を描き続けているひとはどのくらいいるのでしょうか。

私もプロアマ問わず、たくさんの絵描きを見てきました。
それでも残っている人はわずかです。
芸人や歌手は再ブレイクがあっても、絵描きってほとんどないですよね。
バズった人ですらすぐ消えるありさまです。

だから、嫉妬に苦しんでいるいまは、貴重な時間を経験していると考えてみてください。
あなたが絵描きとして成長するために、生き残るために、嫉妬している相手はあらわれたのかもしれません。

私もSNSを始めたばかりの頃、よく嫉妬という悩みにぶつかりました。

ちょうどpixivに登録してから一年たったあたりからでしょうか。
どうしても若い人に嫉妬してしまう私は、SNSからはなれる時間を増やしました。

当時は美術館や博物館をめぐり、リアルで活躍していた画家たちの絵を見にいって、ホンモノの絵画にふれるようにしたのです。

世の中には評価もほとんどつかず、歴史に名が残ったわけでもない、でも、素晴らしい絵を描く人がたくさんいる。
そういうひとたちの熱量を受けとると、やっぱりもっと自分の絵を極めてみたいと思うようになりました。

今も嫉妬しないわけではないのですが、少しづつ、自分のネガティブな感情を処理する方法を身につけたおかげで以前ほどは苦しまなくなりました。

人間、成長するスピードも才能が開花するタイミングも、すべてを自分の手ではコントロールできないものです。

早熟の天才にあこがれたこともありました。

新進気鋭とかすい星のごとくあらわれた、とか格好いいなと思っていました。

バズったことはない。
フォロワーもいいねも二桁超えたことがない。
SNS歴だけは無駄に長い。

こんな私ですが今は、嫉妬にくじけずに描きつづけている自分もそう悪くはないなと、胸をはって言えます。


あなたは数年後も、数十年後も、絵描きとして、絵を描きつづけたいですか?

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見出し画像の元絵。いつの時代も悩みはつきないよね~。



ここまで読んでくださってありがとうございました!