ラファエル前派展に行ってまいりました【後半】

rfa1_1
【ラファエル前派展】

会期:2014年1月25日~4月6日
場所:六本木ヒルズ森アーツセンターギャラリー
料金:一般1500円
時間:10時~20時(会期中無休)

私は2月28日の18時ごろと3月1日11時ごろに行きました。
どちらもそれほど混雑しておらず、比較的ゆっくり見て回れました。
若干28日の夜のほうが空いていたかな~といった感じ。
でも入場規制とかそういうレベルじゃないので、もしかしたら今の時期は狙い目なのかも。
つい最近友人も行ってきたみたいなのですが、ミレイのオフィーリアの絵の前だけは混んでいたそうです。
会期終了間際になるとどどっと人が来る予感。

以下展覧会感想→

 

 

 

 

 

rfa0_1

展覧会の図録。たしか2600円。

rfa4_1

ポストカード。一枚150円。ちょっと高い……。

rfa2_1

クリアファイル。値段忘れたー。たぶん500円前後。

rfa3_1

展示されていない画家だけど気になったので購入。

以上、展覧会のおみやげでした。
これをいつぞやの金曜日に心無い誰かに盗られたのさ……・゚・(ノД`)・゚・。

色々トラブルがありましたが、二回見ることができたのはかえってラッキーだったと思います。
時間がなくてじっくり鑑賞できなかった絵も土曜日はゆっくり見れました。
全体的にどの画家も色使いや取り上げるテーマやモチーフが好みで、
有名な人からあまり世間では知られていない人まで楽しめました。

ラファエル前派のメンバーの肖像画とプロフィール、画家たちを支えた批評家やモデルのことまで詳しい事情を表した図や写真なんかもあったのですが、これがまあ……突っ込みどころ満載でして。
ラファエル前派の方々はスキャンダルだらけの波瀾万丈人生まっしぐら!
同じメンバー内で奥さんやモデル取り合ったり三角関係やら離婚やら自殺未遂騒動やら、今でいうところのフライデーが喜びそうなネタばっかりでした。
各画家の肖像画の中ではロセッティがマジイケメンすぎて思わず噴き出すレベル。
私のそばに丁度大学生くらいの御嬢さん二人組がいたのですが、彼女たちも「ロセッティイケメンすぎじゃない?」と、評するほど。
ロセッティ自身も当時はモテモテで人妻と浮気もしていましたよん。
ただ、結構口が悪くて、ふくよかになってしまったモデルさんを「象さん」と呼んでいたそうな……。
ラファエル前派のみなさん絵は素晴らしいのに傍から見るとドイヒーな言動と行動。

≪ここから絵の感想≫

9、「4月の恋」 アーサー・ヒューズ

会場に入って一番目に展示されている絵。
鮮やかなブルーにはっとさせられます。
女性のたたずまいや静謐さが美しいです。

1、「マティルダ王妃の墓あばき」 ジョン・エヴァレット・ミレイ

どことなくマンガっぽいです。
ミレイのペン画はどれも繊細でラインがきっちりしています。

3、「黒太子45歳の誕生日にシーン宮殿で父エドワード3世と延臣たちに”クスタンス姫の伝説”を読んで聞かせるジェフリー・チョーサー」 フォード・マドックス・ブラウン

なっがいタイトルだけどこのタイトルどおりの絵。
王様のまわりに沢山の人が集まっています。
老若男女それぞれの表情が面白い。

6、「オフィーリア」 ジョン・エヴァレット・ミレイ

この展覧会に足を運んだ目的の一つ。
中央の女性の手のバランスや表情をまじまじと見てしまった。
オフィーリアが手に持っている花や周りの植物などにも一つ一つ意味が込められていてかなり奥が深い絵です。
この絵を描くときにミレイはモデルさんをバスタブに何時間も浸からせていたそうな。
そのせいでモデルさんは風邪をひいたという逸話が残っています。

11、「破られた近い」 フィリップ・ハーモジニーズ・コールデロン

女性のスカートの模様が細かくてリアルです。
服装がものすごく好み。

17、「よき子らの聖母」 フォード・マドックス・ブラウン

水彩に見えない。
後ろの布の模様の描きこみが凄い。

18、「両親の家のキリスト(「大工の仕事場」)」 ジョン・エヴァレット・ミレイ

こういう素朴な感じの絵すごく好き。
ただ、チャールズ・ディケンズや多くの批評家からは大ブーイングだったそうで……。
現実の労働者階級の人たちっぽく描いたのが問題の一つらしいけど、個人的には斬新で良いと思うんだけどなあ。

21、「ペテロの足を洗うキリスト」 フォード・マドックス・ブラウン

後ろのユダが裏切り者の顔をしている……。

29、「5月、リジェンツ・パークにて」 チャールズ・オールストン・コリンズ

草木や花の描写がリアル。

30、「謀略の丘から望むエルサレムとヨシャファトの谷」 チャールズ・オールストン・コリンズ

こういう風景を見ていると旅に出たくなる。
壮大な感じなのに手前の木や草の描写に目が行ってしまう。

32、「穀物の収穫」 フォード・マドックス・ブラウン

白い月がFF4っぽいなあと。
畑の太陽が当たっている部分とそうでない部分のコントラストが素敵。

34、「ローゼンラウイ氷河」 ジョン・ブレット

写真みたいだー!と心の中で叫んだ。
行ってみたい景色。

36、「ペグウェル・ベイ、ケント州――1858年10月5日の思い出」 ウィリアム・ダイス

ちょっと寂寥感漂う風景。
キャンバスがデカいのでそのまま風景を切り取った感じにも見える。

38、「ある日の猟果、ビドストン・ヒル」 ウィリアム・デイヴィス

これも写実的で思わずどうやって描いているのか気になってしまった。
この絵が当時はあまり評価されなかったなんて信じられない。

40、「あなたの息子をお抱きになってくださいな」 フォード・マドックス・ブラウン

制作を放棄した理由が物悲しい。
初めに見たときは愛人が生んだ子供なのかと思ってしまった。

45、「我が家で過ごす最後の日」 ロバート・ブレイスウェイト・マーティノウ

滑稽な雰囲気が漂う絵。
よく見ると後ろの調度品や家具に差し押えの札が……。

59、「ミティリニの庭園のサッフォーとエリンナ」 シメオン・ソロモン

右のサッフォーが中性的。
体のラインがくっきりしていないのに両性具有だとわかる。

63、「モンナ・ポモーナ」 ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ

この角度の顔の美人画大好き。
手つきとかも色っぽくて素敵。

64、「ベアタ・ベアトリクス」 ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ

女性が神々しいです。
こういう逆光気味の構図はとても好き。
この絵が描かれた背景を思うと色々考えさせられる。

68、「プロセルピナ」 ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ

ラファエル前派展に足を運んだのはオフィーリアとこの絵のためといっても過言ではない。
一日目は時間がなくてじっくり見れなかったけど、改めて鑑賞すると本当に美しくてみとれる。
女性の目とくちびる、ざくろを持つ手つきに惹かれる。

ラファエル前派の人たちがスカウトしたモデルさん達はほとんどが貧困層出身だそうです。
このへんはちょっと意外でした。
身分関係なく、モデルにふさわしいと思った人に声をかけるのか~と。
絵を見ていて思ったのはみんな美人を見つけ出す才能は抜群。
そしてキャンバスに「美」を描き出す画力については言うまでもありません。
ミレイやロセッティだけでなく、ほかの画家たちの作品も本当に素晴らしくて、また新たに自分の中に尊敬する芸術家が増えました。
今回も技術的な部分で勉強させてもらうところがありました(色使いとかポージングとか)。
あと……メンタルの部分でも(笑)。

 

まだ会期終了まで時間があるので、興味がある方は是非足を運んでみてください(^v^)

コメントは受け付けていません。