ルーベンス展

ルーベンス展

Bunkamuraザ・ミュージアム

2013年3月9日(土)~4月21日(日)開催

ルーベンス展

 

ルーベンス展に行ってきた。

前から気になっていた画家の一人。
画家個人にスポットを当てた展覧会には行ったことがなかった。
いつも大体ヨーロッパのどこかの美術館やら何らかのテーマの展覧会でチラっと見るくらいだったから、じっくり見てみようと思った。

で、ナレーションが谷原章介さんということで、久しぶりに音声ガイダンスを借りてみる。
やー、聞き取りやすくて落ち着く声だったわー。
しかしまあ、最近の音声ガイダンス機器には驚かされたぞ。
何の変哲もない紙にペンの先でタッチするだけで音声が流れるって凄いね。
文明はどこまで進化するんだ。

で、自分が気になった、もしくは見とれてしまった絵のリストとメモ。

●「自画像」(ペーテル・パウル・ルーベンス/工房)

聡明さと頑固さと威厳を醸し出していた。

●「ロムルスとレムスの発見」(ペーテル・パウル・ルーベンス)

この展覧会のポスターになってた絵。
赤ん坊の二人もいいけど、かたわらにいる乳母代わりのオオカミが気になって仕方なかった。

●「兄フィリプス・ルーベンスの肖像」(ペーテル・パウル・ルーベンス)

ルーベンス自身とはまた違った雰囲気のお兄さん。
肖像画はほかにも沢山あったけど、この絵からは何か特別なものを感じた。

●「9つの頭部」(パウルス・ポンティウス/ルーベンス原画)(銅版画)

銅版画の細やかなタッチに見惚れる。 人物の表情が豊か。
私も一度でいいから銅版画に挑戦してみたい。

●「天使からパンと水を受け取る予言者エリヤ」(ペーテル・パウル・ルーベンス)

天使のおねーさんが「そんなんじゃアカンよ。これ、食べとき!」って言ってるセリフが頭に思い浮かんだ…。 なぜだ…絵は荘厳な感じなのに。

●「二人の女性寓意像とアントワープの城塞の眺望」(ペーテル・パウル・ルーベンスと工房)

この絵に込められた意味を紐解くと感動が倍増する。
自分が目指したい絵の方向性を示してくれた。
構図と小物の配置の重要性を学んだ。

●「聖母子と聖エリサベツ、幼い洗礼者ヨハネ」(ペーテル・パウル・ルーベンス/工房)

宗教画に無駄なものは一つもないと思った。
一見なんてことないようなものが実は大事な意味を持っていたり。
それにしても赤ん坊の肉付き加減がリアルだったな。

●「ヤン・ファン・ムルスの出版商標」(コルネ―リス・ハッレ(父)/ルーベンス原画)(ペーテル・パウル・ルーベンス)

なんて格好良いマーク!
ニワトリとフクロウ…どちらも好きなので、こういうセンスある絵が描けたらいいなあ。

●「エジプトへの逃避途上の休息」(クリストッフェル・イェーヘル/ルーベンス原画)

子供たちが安心してはしゃいでいる様子が平和的で良かった。

●「酔っ払ったシレノス」(クリストッフェル・イェーヘル/ルーベンス原画)

これは展覧会で唯一吹き出しそうになった絵。
なぜなら本当にただの酔っ払いに見えたから。 でもシレノス自体は預言者っていう凄い人。

●「踊る牧人たちのいる風景」(ヤン・ウィルデンス)

数人の画家たちで共同制作したものだそうで。
これは今まで見てきた絵の中で一番立ち止まって見る時間が長かった。
人が二、三人寝転がれそうなほど大きな絵だった。 なので、鑑賞するのに近づいたり離れたり右往左往。
森や空、奥行きなどを見ていると、当時の空気感が伝わってくる。
葉が風に揺れる動き、雲の表現、遠近感、木の種類。 細かいところまで見ると、風景画って小さなことを積み重ねてできているんだなあ、と実感。 風景画苦手だから樹木や空の描き方勉強したいと思った。

●「牧人のいる風景」(ヤン・ウィルデンスとフランス・ワウテルス)

上の絵のとなりにあった絵。 こちらも素晴らしかった。 風景もよかったけど、特に女性がみんな可愛らしくてそっちに目がいってしまった。

 

●「熊狩り」(ペーテル・パウル・ルーベンスとフランス・スネイデルス、および工房)

「熊狩り」というタイトルの割には登場人物が大ピンチという…。
馬にまたがって狩ろうとしていたんだから人間の方が有利なんじゃないのか。

 

ルーベンス自身の絵は人物画が多かった。
そして、版画にも力を入れていたことがわかった。
工房を構えて職人の力を借りて制作していたところを見ると、一つの企業みたいだな。
画家っていうと孤独というイメージが先立つけど、そうではない画家もいるのか。

今年はまだまだ素敵な展覧会があるから、見に行ったらこうやってブログにメモっておこうかな。

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