応募したコンテスト運営から講評会に来ないかと誘われた話【体験談】

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これは2013年に講談社フェーマススクール主催のコンテストの「天使」というテーマに応募した作品です。orzに見えたそこのアナタ、私もその気持ちわかりますよ。


【ソフト】PhotoshopCS4
【サイズ】1181×1748px(ハガキサイズ)
【カラーモード】CMYK
【制作時間】15時間くらい
アナログでハガキサイズにプリントアウトして送りました。オンライン受付ではなくハガキでの受付だったから、今にして思えばイラストコンテストでは珍しいパターンの公募ですね。

コンテストの結果は落選しました。

入選者150位まではなにかしら記念品が出るみたいだったので、少しでもいいからかすってほしかったなあ、と当時は悔しがったものです。

ちなみにこのテーマの応募者は7500人くらいだったはず。

この記事の結論から先に書くと、私は(表向きには公表されていないけど)準入選だったことと、自分の絵の評価をリアルで直に知った、ということです。

ここからはコンテスト運営から講評会に来ないかと言われたお話。

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2013年は自分自身をいい意味で変える出来事が多かったように思います。

私は夏に開催されたP-1グランプリが終わってから、その1、2か月後くらいに講談社フェーマススクール主催のコンテストの「天使」に応募しました。

この、たったひとつの行動がまさか予想外の方向に流れていくとは、このときは思いもよらなかった。

コンテストの結果発表が終わってから数週間後に講談社フェーマススクールから分厚い茶封筒が送られてきました。中身は私が送った作品についての講評(一枚)とスクールの案内やら生徒の声やら(数十枚)が入っていました。

送った絵のことは、私の講評を担当した方から褒められていましたが「そんなに褒めちぎるなら入賞させてくれよ」と、かなりピリついていたので、その時はコンテスト運営側にあまりいい印象はありませんでした。

数週間後、仕事が終わってから携帯をみると留守電が入っていました。メッセージを聞いてみると、講談社フェーマススクールの方から「講評会に来ませんか」という連絡でした。

帰宅してからパソコンで講談社フェーマススクールの講評会がどういうものなのかGoogleで調べることにしました。実際に講評会に行った人の感想も出てきたので、読んでみると「スクールへの勧誘がしつこい」という情報が。すぐさま留守電を消去しました。

それから一か月ほど経ち、仕事から帰宅してすぐに携帯に着信が入りました。知らない番号だったけど、もしかしたら自分がお世話になっている会社からかもしれない。電話に出てみると、講談社フェーマススクールの人でした。

茶封筒が無事とどいたかどうかの確認と、私が応募した作品が素晴らしかったという話にはじまり、予想通り「講評会にぜひ来てください」と熱心に誘ってきました。

この時、断ろうかなとも考えていましたが、「講評会に行った経験がいつか作品を描く時のネタになるかもしれん」と思い、誘いを受けることにしました。日時を予約し、当日は「これまで描いた作品もよかったら持ってきてください」とのお達しを受け、過去作をポートフォリオとしてまとめてファイリングしました。

講評会の会場は、都内の閑静なオフィスビル群の一角にありました。入ってすぐに目についたのは小さなギャラリー。フェーマススクールの生徒さんが描いた絵が飾られていました。

卑屈な私は「今回のコンテスト、この人たちに負けたのか…」と勝手に敵対心燃やしてささくれ立つ寸前でした。でも、清潔感のある空間と絵のピュアさが放つパワーに浄化されて、余計な感情はすぐに引っ込みました。

受付の人に講評会に来た旨をつたえると、ギャラリーの奥にある部屋に通されました。しばらくして年齢は30~40代くらいの、スーツを着た男性が現れました。その人が私に茶封筒を送った主であり、担当のHさんだったのです。

私は講評会というものは複数人あつまってやるものだとばかり思っていたのですが、どうも違ったようで。完全に1対1の面談形式でした。

このときどんなことをお話したのかというと、まず、Hさんから今回のコンテストの結果に関することと、裏話みたいなものを教えてもらいました。

カンタンにまとめると、「審査に苦労した」「入賞しなかったひとたちも審査側で順位付けをしていた」ということでした。残念ながら審査基準は教えてもらえなかったけどね。人の口から直にこういう話を聞くと、審査する方も大変だなあと感じながら聞くこと数分。

私は「準入選」だったことを知らされました。

準入選というのは応募者約7500人中、151位~250位の間ってことだそうです。何位だったのかは言われなかったので、ここで詳しい順位を聞いておけばよかったかもしれない。どのみち悔しさが爆発しそうだけど。

私を担当してくれたHさんという男性は、絵のことに関してはかなりの情熱をもっている方で、私が送った作品についてもこちらが驚くくらい褒めてくれました。既にもらった茶封筒の中でもいろいろ感想は書かれていたけど、実際にお会いしてから言われるのとでは、熱量が桁ケタ違い。

自分の絵が褒められることの気恥ずかしさよりも、「世の中にはこんなにも熱く絵について熱心に語ったり、作品の美点を述べられる人がいるんだなあ」と、ネットの中では得られない貴重な経験をしていることを実感しました。

それから持ってきたポートフォリオも見せました。

Hさんはすごく真剣なカオで、1ページめくるごとに肯定的な感想を伝えてくれました。が、私が一番スルーしてほしい絵でピタリと止まって食い入るように鑑賞し始めました。

それが、先日アップした記事のP-1グランプリに応募した絵です。 https://note.com/embed/notes/n0aa63933cc60

この記事の中にある、「剣を持った少女のイラスト」がなぜかHさん的に気になる何かがあったらしく、しばらく見つめていました。そしてその様子を、羞恥心にさいなまれながら見つめる私。このときは本当に逃げ出したくなるくらい、気持ちをおさえるのが大変だった。

ポートフォリオを作っていた時、いちおうコンテストに出したものも載せないといけないよな、と考えて入れたけど、良かったのか悪かったのか…。

これまで描いた作品について、Hさんからダメ出しとか、悪く言われることは一切なかったです。向こうはフェーマススクールの印象を左右するから良いことを言ったまでなのかもしれませんが、それでも私としては大きな収穫でした。

心配していたスクールへの勧誘もほとんどありませんでした。

このあたりはエステの勧誘と同じくらい長くなるだろうなということを、覚悟していったのだけれども、まったくの杞憂に終わりました。

講評会の最後に、私がゆくゆくは絵で仕事をしていきたいということをお話したら、Hさんはとても温かく応援してくれました。

その日の帰り道、私が心の中で確信したことがあります。

「なにごとも自分の目で見て、確かめてみないとわからないこともある」

最初は手紙で送られてきた自分の作品への感想にはじまり、ネットで見つけた講評会に参加した人の感想を読んだことによって、猜疑心が強まった。

「いつかネタになるから」という、ずいぶん楽観的な理由で出向いて今回のような出来事を体験したわけですが、予想よりも全然違う結果になったことは自分にとって、とてもプラスになりました。

他の人が経験したことが、自分もまったく同じように経験するとはかぎらないのだということがわかった。

ただ、もしかしたら今回は特別なケースだったのかもしれない。

それでも、なにも知らずにいるよりも、時には勇気を出して行動してみるのも大事なのだなと学びました。

はたからみれば本当に小さなことかもしれないけれど、私にとっては大きな冒険だったのです。

そしてこのたびめでたくnote記事のネタとして昇華できました、バンザイ。

Hさん、フェーマススクールのみなさん、コンテスト運営のみなさん、審査員の方々、ほんとうにありがとう。

これからも絵を描き続けるよ。まだ見ぬ想像の世界を信じて。



ここまでお読みいただき、ありがとうございました!