私はpixivのランキングに載ったことがありません。いつかは載りたいと思って画力を上げるべく努力しましたが、どうもこの努力はSNSにおいてはあまり大した効果を生まないみたいです。画力だけじゃなくて、プラスアルファの何かが必要。
その「プラスアルファ」も自分にとって手に入れる価値のあるものなのか。そんなふうに考えているうちに、ランキング入りのことがどうでもよくなりました。
今回のお話は私が7~8年くらい前にpixivで経験したことです。当時の自分の気持ちをできる限りなぞって文章に組み立てていますが、ところどころおかしな部分があるかもしれません。そのへんは大目に見てね。
かつて私はSNSのランキングに載ることが憧れでした。
一流絵師の仲間入りを果たすには何かしら「一流たらしめるもの」を手に入れないといけないと感じていたからです。コンテスト然り、SNSのランキング然り。
でも、この決めつけも自分の視野をいたずらに狭めたり苦しめたりするばかりで、よくわからないものへの執着心をさっさと手放すべきだったなと、振り返ってみて己のアホさ加減に笑いがこみ上げてきます。
昔の私は順位が何位であれ、「ランキング入りするためには」高い画力が必須だと思い込んでいたので、基礎画力の向上はもちろんのこと、塗り方や魅せ方についてもできる範囲で磨くことにしました。
それからしばらくして、自分なりにきちんと仕上げられたと思えるような作品をいくつか投稿してみました。評価はそこそこもらえましたがランキングには入れず。
まだ力不足なんだな、と。もっと頑張らないとダメなのだと、自分に言い聞かせて画力を上げようと再び練習に取り組む毎日。あまり上手く描けなかったり、描く量が少ない日は自己嫌悪に陥ってしまうこともありましたが、なんとか乗り越えて完成させた一枚絵は、これまでの出来と比べてなかなか悪くなかった。
そして審判の日がやってきます。
pixivのランキングは1位~500位まであるので、500位以内に入りたいと思って自信作を投稿しました。結果はいつもと変わらず、ランキング圏外でした。
「そこそこ上手くなったと自惚れているうちはランカーにはなれないんだなあ」と、現実を認めてもう少し謙虚に努力しようと決めました。
少しだけしょんぼりしつつもpixivのページを閉じる前に、ちょっとだけ他のランカー達の絵も見ていこうと思ってランキングのページに飛びました。
オリジナルイラストのランキングの1位~100位までは上手い人たちが勢ぞろい。背景付きの絵も私が特に苦手としているパースをしっかり理解されていて、レベルの差を思い知りました。
下へ、下へとランキングが下がっていくにつれて私はある衝撃的な作品を目にしました。
それが「鉛筆写メのイラスト」です。
たしか200位~300位くらいの間に位置していました。前後のイラストがデジタルだったぶん、アナログ感が強めのサムネイルは逆に目立っていてより強烈に私の印象に残った。
ここで感じたことはただひとつ。
「なんでこの絵がランキング入りしてて私のはダメなんだよ」
お絵描きに謙虚になろうと決めた矢先に心の中とは言え、この悪態っぷり。それもそのはず。だって、その鉛筆写メのイラスト、授業中ノートの隅っこに落書きしました、というレベルのものだったから。
お世辞にもあまり上手とはいえないし、罫線付きノートに描かれているし、薄暗いし、褒め言葉をひねり出そうと脳みそ絞ってみたが見つからない。それよりもなんでランキング入りしたのかそっちのほうが疑問だった。
さらに下の方のランカーも見ましたが、見れば見るほど自分と彼らの違いがよくわからなくなりました。
それ以降、私はpixivのランキングをあまり見ないようにしています。
内部システムのことについて、ただのユーザーがあれこれ探ろうとしてもムダだと悟ったからです。そんなことに時間を費やすくらいなら、新作描いたりクロッキーやスケッチやっていたほうが自分のためになる。
これは私が自分の絵をスマホで撮ったものですが、このクオリティより低くてもランキング入りはできるみたいです。わけがわからない。
元々負けず嫌いで、学生時代は校内のランキング(ただし体育のみ)は好きだったけど、芸術の世界のランキングは勝手が違いすぎて脳筋には理解不能でした。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!