本の感想

川柳の本を三冊借りた。
個人的に面白いと思った句を抜粋します。

 

「OLネット川柳」2003年発行
シティリビング編集部 ワニマガジン社

「はい」と「ええ」 混じって電話で 「へい」と言い

→お待ちどおさまでい!江戸っ子OLここに参上。

部分痩せ 痩せたい部分が 大部分

→これはよーくわかる。もうね、二の腕痩せとか脚痩せとかそういうレベルの問題じゃない。

グチ言って 思わず見回す 店の中

→これもわかる。もしかしたら同じ店の中に敵兵が潜んでいるかもしれんのでね。要確認ですよ。

「サラリーマン川柳 いちおし傑作選」2011年発行
NHK出版

オレ無職 息子草食 妻美食

→語感やリズムの整った句。でも言い表している内容は切ない。

まだ寝てる 帰ってみれば もう寝てる

→これは91年度のサラリーマン川柳第一位の句。働くお父さんに幸あれ…。

「シルバー川柳」2012年発行
ポプラ社

ガガよりも ハデだぞウチの レディーババ

→レディーババ!上手すぎる。たまにいるよね、なんかやたら極彩色なおばあちゃん。

立ち上がり 用事忘れて また座る

→こんなスクワットは嫌だッ(笑)。

留守電に ゆっくりしゃべれと どなる父

→腹筋が攣りそうになるほど笑い転げた。おとうちゃんが可愛い。

デジカメは どんな亀かと 祖母が訊く

→盛大に笑わせてもらいました。カメェェェ!

川柳も男女や年代によってだいぶ詠む内容が異なることがわかった。
OLは主にお局様との戦いや上司への不満、恋愛や結婚がらみのネタが多め。
サラリーマンは上司や後輩を皮肉ったり、女房の尻に敷かれているなどの自虐的なネタが目立つ。
シルバーの方々はなんとまあ明るいブラックジョークが光ること!
OLやサラリーマンのネタはこちらがうなずいてしまうような共感を得る句がたくさんあったのに対して、
シルバーのネタは予想をはるかに超えたものばかりで、あまりの突き抜け具合に笑うしかなかった。
OL&サラリーマンが地球レベルならシルバーは宇宙レベル。
三冊借りた中で一番笑える句が多かった。
あのはっちゃけっぷりは元気もらえるね!普通逆だよね!(笑)
「老い」を「笑い」に変えることができるような人がきっと長生きできるんだろうなあ。
こういうユーモアや遊び心を忘れてはいけませんね。

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